妊娠初期となる11週目までの中絶法には掻把法(そうは)と吸引法があります。2つの手術の違いや、やり方を見ていきましょう。
東京などの都心部でも中絶の方法として最も多く行われている方法です。やり方としては、鉗子という医療器具を使って子宮内の胎児や胎盤をかきだすという方法です。リスクとしてまれにですが、子宮の状態や医師の不手際などにより鉗子でかきだす際に、子宮を傷つけてしまったり、穴が開いてしまうことがあります。
吸引力のある機械を使って、胎児や胎盤など子宮内の内容物を吸い取る方法です。吸引がうまくいけば出血も少なく済みますが、まれに子宮内の内容物が残ってしまう場合があります。その場合は後日にエコーで子宮内を確認して再度、吸引か掻把を行う必要があります。
避妊をしない性行為を行った後の12時間以内にピルを飲むことで妊娠率を0.5%程度まで下げることができます。
妊娠初期の11週目までに行われる中絶を初期中絶と言います。12週から21週までに行われる中絶を中期中絶といいます。初期中絶の場合は掻把法や吸引法を行って子宮内の内容物を取り出すことができますが、中期中絶になるとそれができなくなります。中期中絶の手術の場合は、出産と同じく陣痛を誘発して分娩を行います。そのため手術時間も長く、母体への負担もかなり大きなものとなります。
中絶後の影響として生理不順や子宮内膜が厚くならずに着床障害の原因となるリスクなどが考えられます。また、強いストレスによりうつや不眠などの症状が現われることもあります。中絶は妊娠や出産と同様にリスクを伴うものだという事を把握しておくことが大切です。